診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

漢方薬を用いた治療について

漢方薬を用いた治療についてのイメージ画像現代医学では、錠剤やカプセルなどの、いわゆる西洋薬にての治療が中心であり、今後もほとんどの病気で最初の選択は西洋薬を用いた治療が続くと思います。

しかし、西洋薬単独ではなかなか治癒に至らない、あるいは副作用のため使えないなど、西洋薬にも限界があることを日常診療にて感じることがあり、また、特に原因がないのに顔がほてる、手足の発汗が多い、体全体が熱い、手足がむくむなど、特効薬がない、あるいは良い適応を有した西洋薬がない病状も経験します。

そのような、西洋薬だけではカバーできず、さらにいろいろな検査をしても原因となる異常がみつからないような病状に対して、漢方薬を処方してみたところ明らかに症状が改善してきたという経験が増えてきています。また、漢方薬には症状の緩和だけでなく、原因の除去(解毒作用)、 体質改善の効果もあるため、元々の病気が治るだけでなく、体調も良くなったという声を聞くこともあります。

そういった経験から、これまでの治療に漢方薬治療を選択肢の一つとして加えることで一人でも多くの患者さまの病気を治せるよう、 皮膚科疾患の範囲で漢方薬を用いた治療を行っています。

当院では主に、ざ瘡(にきび)、多汗症、顔のほてり、じんましんなどの疾患に漢方薬を用いた治療をしていますので、漢方薬の治療を希望される方は、ぜひご相談ください。健康保険も適用されます。なお、漢方薬を好まれない方には他の方法での治療を選択しますのでご安心ください。

ざ瘡(にきび)

ざ瘡(にきび)のイメージ画像当院では、まずは日本皮膚科学会が作成した「ざ瘡治療ガイドライン」に準じて、抗菌薬内服、抗菌薬外用、アダパレン外用、 ケミカルピーリングなどのざ瘡治療をしています。

慢性的にざ瘡の出現を繰り返す場合、これまでは主に抗菌薬の内服治療が行われることが多かったのですが、 長期にわたって内服を続けると、下痢を起こしたり、腸の中の細菌構成に影響を与えたりという問題がありました。
そのため、抗菌薬の内服はざ瘡の悪化が著しいときに短期間のみ使用するようにし、その後は漢方薬の内服を継続していただくようにしています。漢方薬には皮膚の化膿を抑える効果だけでなく、一つの処方の中に皮膚炎や皮膚の赤みを改善する効果も持っていますので多種類の内服をする必要がありませんし、外用やピーリングなど他の方法との併用もできます。

院長自身、20歳代のころ口の周りがざ瘡だらけになったとき、清上防風湯という漢方薬を3ヶ月くらい飲んで良くなったという経験があります。 ざ瘡に処方できる漢方薬は数種類あり、症状、年齢、性別などにより最適なものを選択します。漢方薬を用いたざ瘡治療をご希望される際は、ぜひご相談ください。

多汗症

ざ瘡(にきび)のイメージ画像手足の多汗症には、汗腺を引き締める効果があるとされる硫酸アルミニウムの水溶液や外用薬を塗ったり、 弱い電流を流して神経をしびれさせたりといった治療(イオントフォレーシス:当院では施術していません)がまず行われることが多いです。 また、臭化プロパンテリン(プロ・バンサイン®)という内服薬が多汗症に保険適応があり、処方することがあります。

しかし、上記の治療で十分な効果が得られることは少なく、それ以外でも有効な治療方法が存在しないのが現状です。
手術療法やボトックス注射などもありますが、手術は手の発汗は減っても他の部分の発汗が増えてしまうという問題がありますし、ボトックス注射は有効性は明らかですが高価な治療費用(保険適応外:当院では施術していません)を数ヶ月おきに負担しなければならないという問題があります。

漢方薬の中には、発汗を促す交感神経の過度の緊張状態を抑えたり、体内の余分な水分を排泄する作用を有したりするものがあり、 多汗症に対して有効であると報告され、治療に用いられています。
当院でも、外用および漢方薬を含めた内服治療を行っていますので、ぜひご相談ください。

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