診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

「爪の水虫(爪白癬)の治療について」

―新しい塗り薬が発売されました―

爪が白く、時には薄黒く濁ってきたり、厚く硬くなってきたりなどの症状で、指先ないし趾先の外観に影響するだけでなく、真菌(カビ)による感染症ですので他人にうつしてしまう可能性もある爪白癬に対して、塗って治す治療薬が発売されました。

これまで爪白癬は、1日1回飲み続ける連続内服療法、あるいは1週間内服して3週間休みを3回繰り返すパルス療法など、内服薬で治療されていました。内服治療は有効率が高い治療ですが、肝臓の機能に異常がある、他に内服している薬がある場合に使用できないことがあるなどの問題がありました。

内服治療ができない場合、液状の抗真菌薬を爪およびその周囲に塗る、さらにラップなどのフィルムで覆って局所の薬液濃度を上げるなどの方法が試みられていましたが、なかなか爪の深部に浸透しないため、効果は限定的でした。また、爪白癬に保険適応を有する外用薬もありませんでした。

新しい薬である、エフィコナゾール外用液(クレナフィン®爪外用液)は、爪および爪の下の皮膚への浸透性に優れており、厚く硬くなった爪の中に潜んでいる白癬菌への抗菌効果が期待できる、日本で初めて保険適応での治療が認められた外用薬です。
注意しなくてはいけないのは、治療をすることで厚くなった爪が薄くなったり、変色した部分がもとの色に戻ったりするわけではないことです。薬の効果が表れるとともに爪の根元からきれいな健康な爪が伸びてくることで効果を確認できます。根元の健康な爪が指ないし趾の先端に到達するまで足の爪で1年~1年半かかりますので、その間根気強く外用を続けることが大切です。
エフィコナゾール外用液(クレナフィン®爪外用液)の使用を開始するにあたっては、異常を起こしている爪が、爪の乾癬や扁平苔癬、爪甲鈎弯症など爪白癬に似た症状を呈する他の病気ではなく、白癬菌によるものであることを確認する必要がありますので、皮膚科専門医への受診をお勧めします。

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