診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

腎臓透析、肝疾患に伴うかゆみの治療について(改訂版)

腎臓透析のイメージ腎臓透析を維持するためには、厳密な体液量の管理を要するため、水分摂取の制限が必要で、皮膚が乾燥しやすくなります。 乾燥によりかゆくなると我慢できず、どうしても掻いてしまうために皮膚にキズをつくり、キズの部分がさらにかゆくなります。

腎臓透析に伴うかゆみには、それに加えて中枢性のかゆみが関与しているといわれ、 従来のかゆみ止めの内服や塗り薬では効果が不十分なことが多かったのですが、平成21年4月より中枢性のかゆみに対する治療薬が使用できるようになりました。 ナルフラフィン塩酸塩という内服薬です。

皮膚科専門医は抗ヒスタミン内服薬(かゆみ止め) やかゆみ止めの塗り薬の使用を専門としており、それにナルフラフィン塩酸塩を適切に組み合わせることで、より効果的にかゆみを抑制できるよう工夫しています。

さらに平成27年5月より、難治性のそう痒を生じることの多い慢性肝疾患におけるそう痒にも投与可能となっています。体内の様々な有害物質を分解や無毒化、ないし排せつする役割を持つ肝臓の機能が悪化すると、かゆみを起こす様々な物質が体中に存在することになります。様々な原因のかゆみを抑えるため、複数の薬剤を投与することが多くなりますが、ナルフラフィン塩酸塩は1日1回の投与であり、内服の手間が少なくて済み、他の多くの薬剤との併用が可能です(併用注意薬はありますが、禁忌薬はありません)。

現在、水なしでも内服できるOD錠(口腔内崩壊錠)もあり、水分を摂取することなく内服することができ、腎臓透析中の患者さまにも好評です。

難治性のかゆみに悩んでおられる腎臓透析、慢性肝疾患の患者さまはぜひ当院にご相談ください。

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